いざという時のために確認!ペット葬儀のマナーにはどんなものがある?
最愛のペットをお見送りしなければならなくなったとき、悩みの一つなのが「ペット葬儀のマナー」なのではないでしょうか?ちゃんとお見送りするためにもマナーを守りたいと考えていても、いざそのときになると気が動転してしまい、マナーまで気が回らないことも珍しくありません。今回はペット葬儀のマナーや流れについて解説します。
ペット葬儀はどんな種類がある?
ペット葬儀と一言でいってもその種類はたくさんあります。納得のいくお見送りをしたいと思っても、種類が多すぎてどれを選べばよいのかわからなくなってしまいますよね。ここからは、そんなペット葬儀の種類について詳しく解説します。ペット葬儀は大きく4つに分けられます。
合同火葬
たくさんのペットを同時に火葬する形式です。そのため、遺骨がほかのペットと混ざってしまうので、お骨上げはできません。その分、葬儀費用は一番安価です。
一任個別火葬
個別で火葬をしてその後返骨してもらう形式です。火葬後の遺骨は葬儀場のスタッフによって納骨されます。葬儀場のスタッフに一任する形式のため「火葬」や「お骨上げ」のときに飼い主は立ち会うことができません。また、返骨の方法も飼い主さんが葬儀場まで迎えに行く、自宅まで送り届けてもらうなど、葬儀会社によって多少の違いがあります。
立会個別火葬
私たち人間とほぼ変わらない形式です。内容としては「お見送り出棺」「火葬」「お骨上げ」「納骨」を執り行います。飼い主さんの立会いのもとで執り行われるため「お骨上げ」「納骨」を飼い主さん自身で行うことができます。
訪問火葬(移動火葬車)
訪問火葬は、「火葬車」という火葬炉を積載した専用車両で火葬を行う形式です。車両で行うため、自宅や指定された場所で葬儀を執り行うことができます。流れとしては「火葬」「お骨上げ」「納骨」の順番で、飼い主さんが立ち会う形になるので、こちらもお骨上げできることがほとんどです。
こうしてみると、ペット葬儀は飼い主さんのニーズに応えやすいようになっているのがわかります。では、次は葬儀を行う場所によってどのような違いがあるのかを解説します。ペットの葬儀が行える場所は以下の3か所です。
自治体
自治体による葬儀の多くは合同火葬です。飼い主が依頼すれば有料で自治体の焼却炉にて処理してもらうことができ、自治体によっては動物専用炉を設けているところもあります。しかし、法律上ペットの遺体は一般廃棄物に分類されるため、多くの場合は通常の焼却炉でほかの動物や廃棄物とともに焼却され返骨はされません。
寺・霊園
ペット墓地やペット納骨堂がある寺や霊園では、ペット専用の火葬場を設けています。合同火葬のみの場合もありますが、個別火葬も可能な設備の有無により、対応している火葬の種類が異なります。個別火葬ができる場合は、お骨上げができることも多いので、希望する場合はそのことを寺や霊園側に伝える必要があります。
民間業者
ペット葬儀会社のほとんどが民間業者になります。そのため選べる葬儀の種類が多く、合同火葬、一任個別火葬、立会個別火葬、訪問火葬とすべて執り行っている業者もあります。
ペット葬儀の流れを確認しよう!
ペット葬儀は飼い主さんのニーズに応え種類が多い分、どのような流れで執り行われるのかわからず、困ってしまう飼い主さんがほとんどです。ここからは、ペット葬儀の流れについて葬儀の種類ごとに確認していきます。
合同火葬
合同火葬は、火葬、供養、埋葬の順で行います。遺体を預けたら火葬から埋葬までを業者が行うため、飼い主さんが行うことはとくにありません。
一任個別火葬
一任個別火葬は、火葬、返骨の順で行います。遺体を預けたら火葬から納骨まで業者が対応してくれるため、飼い主さんが行うことはとくにありません。しかし、返ってきたお骨の供養は飼い主さんが行います。自宅供養の場合や霊園などに埋葬する場合など、ご自身にあった供養を選択する必要があります。
立会個別火葬
立合個別火葬は、火葬、お骨上げ、返骨の順で行います。ご遺体の火葬に立ち合い、その後お骨上げしてお骨を引き取る流れになります。この流れは人の葬儀とほぼ同じです。また、この場合も返ってきたお骨の供養は飼い主さんが行う必要があるため、どのような供養にするかは飼い主さんによって違います。
訪問火葬(移動火葬車)
訪問火葬も、立会個別火葬と同じです。しかし、立会個別火葬を行う場所は葬儀場ですが、訪問火葬は自宅の庭や思い出の場所など、飼い主さんが指定した場所で火葬が行われます。また、帰ってきたお骨の供養は飼い主さんが行う必要があります。
ペット葬儀のマナーとは?
家族同然のペットをお見送りするために「葬儀」を選択する飼い主さんも増えてきました。しかし、ペット葬儀が定着しつつあるとはいえ新しい風潮のため、人の葬儀のようにこれといったマナーがあるわけではありません。しかし、マナーが決まっていないとはいえ押さえておいたほうがいい「暗黙のルール」があります。ここからは、そんなペット葬儀のマナーについて解説します。
黒を基調とした服装
ペット葬儀では服装の決まりがないため喪服を着る必要はありません。普段着でも問題はありませんが、ほかのご家族とすれ違う可能性がある場合は、あまりカジュアルな服装だと不快にさせてしまう可能性があります。そのため、黒が基調の落ち着いた服装が望ましいです。
また、葬儀を行う場所が人の葬儀を行う場所と同じもしくは近い場合は、ほかのご遺族の目を考えると喪服のほうがよいでしょう。
ハンカチ
お見送りの際に泣かないと決めていても、涙が止まらなくなる飼い主さんは少なくありません。泣くことは悪いことでも迷惑なことでもありません。ペットの死を受け入れるための大切な心の反応です。しっかり心と向き合ってお見送りをしましょう。
数珠
葬儀の際にお坊さんや宗教者がお経を上げてくれるのであれば、持参していくとよいでしょう。また、お経上げがなくとも念のために持っていくとより安心です。
写真・おやつ・おもちゃなど
マナーではありませんが、飼い主さんによっては「大好きだったおやつを持っていってほしい」「天国でも大好きなおもちゃで遊んでいてほしい」「寂しくならないように思い出の写真を持っていってほしい」と思う方も多いでしょう。そういう場合は、火葬設備によって棺の中に収められるものが違うため、一度葬儀会社に問い合わせましょう。
最愛のペットを見送ることはつらいことです。しかし、ほとんどの飼い主さんがいつかは迎えなければならないことでもあります。ペットの葬儀はペットのためのものであると同時に、残された飼い主さんが心の整理をつけるためのものでもあります。どうか先立ってしまったペットに「もう大丈夫、心配しないで」と伝えられるように、納得できる葬儀を選びましょう。